REPERTOIRE

2025年12月/演劇解体新書

2025.12.12

先日、フェニーチェ堺で開催された「演劇解体新書-ANIMAを観察するー」が無事に終了しました。

様々な手法を紹介、体験し、小説を舞台作品として立ち上げる。
というワークショップだったのですが。

ひとくちに「様々な手法」といっても、いろいろあるわけで。
ましてや私が扱っているものが全てというわけでは全くないので、あくまで、私がこれまで見て、やって、体感したことをお伝えする90分にすることにしました。
だけどそれは、これまでの10年、20年を総ざらいするような作業で、誰が一番学びが深かったかというと、きっと私自身。
今まで作ってきたレパートリー作品の中から多様なタイプの人形を選び、作劇の道筋を振り返り、自分なりの哲学みたいなものを言葉にしてみた。、、、これ需要あるのか、というのが正直なところでしたが、あろうがなかろうが伝えるしかないのでつまんなかったら堪忍してください、と思うことにしましたが、普段素通りする自分の感覚的な部分や経験則から直感的に通りすぎてたことなどを、言葉にする作業というのはなかなかに面白い作業でした。
そして意外と参加者の方々は興味を持って、ポジティブに受け取ってくださったように感じました。

影絵をどうして取り入れるのか、光と影の何にそんなに惹きつけられるのか、というのはほんとにいつも抱える問い。
影絵って情報が削除されるのだ。
生身の俳優が持つ身体的な情報が、白と黒だけの平面になってしまう。
そこに余白が生まれる。想像の余地。
そこに色が入ったり、光が揺れたり、奥行きがあとから追いかけてくると急に立体的に世界が見え始める。
スペクタクルだ。かと思えばまたきゅっと小さな世界に戻ったり。
最後の藤井チームの幾何学の巣は最高だったな。

そして自分なりの一番のチャレンジで、私自身にとって一番大きな学びになったのが、Mervyn Millarさんという方の著作、『PUPPETRY HOW TO DO IT』という数年来の愛読書を私なりに消化して、昇華して、人形を扱う俳優の基礎的なトレーニングとして紹介したこと。
数年間、この本を自分の英語力で自分なりの解釈でわかった気になって読んでいたのだけど、今回人に伝えるにあたって、一回Google先生とチャッピーの力を借りて機械翻訳で読んでみたら、まあなんとわかりやすかったことか。
機械翻訳の精度の高さとチャッピーの優秀さに本当に床にびたーんと、ひれ伏すしかなかった。そばにいて、AI!
とはいえ、このトレーニングも果たして需要あるのか?ニッチすぎないか?と心配したけど、とても集中して臨んでくれて、良い反応をいただけた。

そしてそして、いざ実制作!
これがまた、すこぶる楽しいメンバーに恵まれて、誰がって私が一番はしゃいで楽しく作らせてもらった気がする。
時々「あ、講師側なんだから参加者から引きださねば、、、」なんて思い出したこともありましたが、主に我が道を突っ走って、時々思い出したように引き出して、と、2日間小走りで会場を走り回り続けたので、藤井さんも劇場の方々も谷口さぞ多動な人だと思われたことでしょう。
参加者のみなさんも迷いながら、ぶつかりながら、行き詰まりながら、でも最後には良い塩梅の落とし所を見つけながら、、、
終了したときの充実した表情を見ると、ああ、伝わったなあという気持ちになりました。

仕込みにあんなに焦りまくったのに、バラシは参加者のみなさまが魔法みたいに手伝ってくれてなんと新幹線にも間に合って、
おかげさまで無事に帰りついたのでした。ありがとうございました。

すべては超ポジティブな参加者のみなさまと、劇場のみなさま、そして藤井さんのおかげ。
充実した二日間でした。
またいつかどこかでお会いできますように!